インストール - PDF
概要
PDFファイルは、現在、一般的に使用されている最も安全なファイル形式の1つである。
このファイル形式は、安全で圧縮された資料を保持するためのものであるため、それを変更することは、決して簡単なこととは考えられていない。
ここでは、Linuxで使用できるPDFソフトウェアを記載する。
Master PDF Editor
Master PDF Editorは、PDFファイルの読み書きを行うことができるクロスプラットフォームのソフトウェアである。
PDFの編集において、テキストの追加および変更、画像の挿入、項目のサイズの調整等を行うことができる。
また、付箋、図形等の注釈機能、取り消し線、下線、ハイライト等の拡張機能も備えている。
無償版では、ユーザが作成したPDFファイルには透かし入る。
透かしを取り除く場合は、Master PDF Editorを購入(69.95USドル)する必要がある。
Master PDF Editorの公式Webサイトにアクセスして、Master PDF Editorのtar.gz拡張子のファイルをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf master-pdf-editor-<バージョン>-qt5.x86_64.tar.gz mv master-pdf-editor-<バージョン>-qt5.x86_64 Master_PDF_Editor
解凍したファイルを任意のインストールディレクトリに配置する。
mv Master_PDF_Editor <インストールディレクトリ>
Master PDF Editorのデスクトップエントリファイルを作成する。
vi ~./.local/share/applications/Master_PDF_Editor.desktop
# ~/.local/share/applications/Master_PDF_Editor.desktopファイル [Desktop Entry] Type=Application Name=Master PDF Editor Comment=Edit PDF files Path=<Master PDF Editorのインストールディレクトリ> Exec=/<Master PDF Editorのインストールディレクトリ>/masterpdfeditor5 %f Icon=/<Master PDF Editorのインストールディレクトリ>/masterpdfeditor5.png Terminal=false Categories=Office;Graphics; MimeType=application/pdf;application/x-bzpdf;application/x-gzpdf;
Foxit PDF Reader
Foxit PDF Readerは、PDFの生成、表示、注釈、PDFファイルに署名する機能がある。
また、フォームの充填、データのインポートおよびエクスポート、OneDrive、Googleドライブ、Dropbox等のクラウドストレージとの統合する機能がある。
Foxit PDF Readerは無償で使用できるが、有償版のPro(138.79USドル)では、共同作業、編集機能の強化、高度なセキュリティを備えている。
Foxit PDF Readerの公式Webサイトにアクセスして、Foxit PDF Readerをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf FoxitReader.enu.setup.<バージョン>.x64.run.tar.gz
解凍したファイルに実行権限を付加して、Foxit PDF Readerをインストールする。
chmod u+x FoxitReader.enu.setup.<バージョン>.x64.run ./FoxitReader.enu.setup.<バージョン>.x64.run
Okular
Okularは、KDEコミュニティによって作成されたKDEデスクトップ環境用のPDFファイルタイプに特化したクロスプラットフォームなドキュメントリーダーである。
PDFを強化するための埋め込み3Dモデル、複数のファイルタイプを処理する際のサブピクセルレンダリングを備えており、また、文書上のコンテンツを選択するために便利なテーブル選択ツールが含まれている。
また、PDF、PostScript、DjVu、XPS等の様々なドキュメントファイル形式をサポートしている。
ページ注釈、PDFファイルからテキストファイルへの内容抽出、ブックマーク、その他多くの機能が利用できる。
ただし、PDFファイルを編集することはできない。
sudo zypper install okular
Evince
Evinceは、GNOMEデスクトップ環境用のドキュメントリーダーであり、ほぼ全てのLinuxディストリビューションで使用できる。
また、サムネイル、検索ツール、印刷、暗号化された文書の閲覧等の多彩な機能を備えた直感的なPDFリーダーである。
PDF、XPS、Postscript、dvi等の文書フォーマットを全てサポートしている。
sudo zypper install evince
PDFTK
PDFの特定ページを抽出するには、pdftkコマンドを使用する。
PDFTKは、直感的なコマンド構文であり、複数の非連続ページが抽出しやすい。
まず、PDFTKをインストールする。
# RHEL sudo dnf install pdftk # SUSE sudo zypper install pdftk
任意のページを抽出する。
# 1ページ目だけを抽出 pdftk <PDFファイル> cat 1 output <出力するPDFファイル> # 複数ページを抽出 (例:10, 30, 50ページ) pdftk <PDFファイル> cat 10 30 50 output <出力するPDFファイル> # 連続したページ範囲を抽出 (例: 10-50ページ) pdftk <PDFファイル> cat 10-50 output <出力するPDFファイル>
Ghostscript
Ghostscriptは、多くのLinuxディストリビューションに最初からインストールされている場合が多い。
高度なPDF処理が可能であり、PDF以外のフォーマットも扱うことができる。
まず、Ghostscriptをインストールする。
# RHEL sudo dnf install ghostscript # SUSE sudo zypper install ghostscript
任意のページを抽出する。
# 1ページ目だけを抽出 gs -sDEVICE=pdfwrite -dNOPAUSE -dBATCH -dSAFER \ -dFirstPage=1 -dLastPage=1 \ -sOutputFile=<出力するPDFファイル> <PDFファイル> # ページ範囲を指定して抽出 (例: 10-50ページ) gs -sDEVICE=pdfwrite -dNOPAUSE -dBATCH -dSAFER \ -dFirstPage=10 -dLastPage=50 \ -sOutputFile=<出力するPDFファイル> <PDFファイル>