C++の基礎 - クロージャ

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概要

C++では、クロージャを作成することができる。
クロージャとは、環境(状態)を持った関数オブジェクトのようなものである。

作成のポイントとして、ラムダ式をコピーキャプチャとした上でmutableにすることである。
クラスのメンバ変数等を使用せずに状態を保持できるため、大変便利なものといえる。


サンプルコード

 #include <iostream>
 
 auto func()
 {
    int x = 0;
    return [=]() mutable -> void
           {
              x++; std::cout << x << std::endl;
           };
 }
  
 int main()
 {
    auto f1 = func();
    f1();
    f1();
    f1();
 
    auto f2 = func();
    f2();
    f2();
    f2();
 }


出力
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環境を共有する複数の処理を行う場合、引数で場合分けをする方がよい。
なお、参照キャプチャは、オブジェクトを複数個生成する場合は使用できない。

 #include <iostream>
 
 auto func()
 {
    int x = 0;
    return [=](std::size_t mode = 0) mutable -> void
           {
              switch(mode)
              {
                 case 1:
                    ++x;
                    std::cout << x << std::endl;
                    break;
                 case 2:
                    --x;
                    std::cout << x << std::endl;
                    break;
                 default:
                    std::cout << x << std::endl;
                    break;
              }
           };
 }
 
 int main()
 {
    auto f1 = func();
    auto f2 = func();
 
    f1(1); // 1
    f2(1); // 1
    
    f1(2); // 0
    f2(1); // 2
    
    f1(1); // 1
    f2(2); // 1
 
    f1(2); // 0
    f2(2); // 0
    
    f1(); // 0
    f2(); // 0
 }


処理を関数ごとに分ける場合、bind関数等は新しく関数を生成しているため、環境が共有されず使用できない。
処理を分ける場合は、上記のf1関数を生成した後、以下の処理を記述する。

 auto inc = [&]() { return f1(1); };
 auto dec = [&]() { return f1(2); };
 
 inc();
 dec();