インストール - バックアップ

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概要

Linuxデスクトップやワークステーションでは、優れたバックアップソフトウェアがある。
その中でも、インストールが簡単かつユーザが必要とする機能を最大限にサポートしていると思われるソフトウェアを記載する。

バックアップソフトウェアを使用する場合、自動バックアップ(毎時、毎日、毎週、毎月等)やクラウドやローカルストレージへの自動同期バックアップ、
一定期間以上古いバックアップの削除などに対応したバックアップソフトウェアが好ましい。

大容量のバックアップファイルをクラウドストレージに同期するための高速なインターネット接続環境が無い場合は、
外部ストレージを使用してバックアップを保存することを推奨する。


TimeShift

概要

Timeshiftのセットアップウィザードでは、バックアップを実行するために必要な全ての設定を行う。
スナップショットの保存場所、バックアップを実行する時間、保存するスナップショットの数、バックアップするディレクトリやパーティション等を設定する。

ただし、Timeshiftは、スナップショットを外部ストレージに保存することはできるが(Rrsyncタイプのみ)、クラウドストレージに自動的に転送することはできない。

Btrfsをサポートしているため、スナップショットのタイプをRSYNCまたはBtrfsから選択できる。
これは、LinuxのファイルシステムがBtrfsであればBtrfs、そうでなければRsyncを選択する。

  • Btrfsタイプ
    スナップショット作成時にファイルのコピーや削除を行わない。
    まず、スナップショットを0サイズで初期化する。
    ユーザがシステムにファイルを追加する時、ファイルのデータはブロックに格納されて、スナップショット内のファイルはデータブロックを指し示す。
    そのため、データをコピーするのではなく、データブロックを指すリンクを作成する。
    Rsyncタイプよりも高速であり、バックアップ作成中にデータが失われる心配もない。
    ただし、Btrfsタイプのデメリットは、外付けストレージにバックアップを保存できないことである。
    つまり、現在のドライブが故障すると、全てのバックアップも失われてしまう。

  • Rsyncタイプ
    ファイルをコピーしてスナップショットを作成して、外部ストレージにスナップショットを保存することができる。
    もし、システムドライブが故障しても、スナップショットにバックアップされたデータは安全に保たれる。


RHEL

TimeShiftをインストールする。

sudo dnf install timeshift


SUSE

インストール - TimeShiftを参照すること。


Grsync

概要

Grsyncは、RsyncのGUI版(GTKライブラリを使用)であり、ディレクトリ、ファイルの同期とバックアップを行うために使用する。
ローカルディレクトリの同期に効果的に使用でき、リモートターゲットもサポートしている。
(ただし、リモートディレクトリのブラウジングはサポートしていない)

Grsyncの使用例として、リムーバブルデバイスとの音楽コレクションの同期、ネットワークドライブへの個人ファイルのバックアップ、パーティションの別へのレプリケーション、ファイルのミラーリング等が挙げられる。

RHEL

sudo dnf install grsync


SUSE

Linuxコマンド - rsync#Grsyncのインストールを参照すること。


Back in Time

Back in Timeのビルドに必要なライブラリをインストールする。

※注意
Python 3.8以降が必要となることに注意する。

# SUSE
sudo zypper install make rsync cron openssh-clients sshfs encfs python3 python3-keyring python3-dbus-python python3-packaging \
                    libnotify-devel polkit-devel      \
                    python3-qt5 libqt5-qttranslations \
                    gnome-keyring perl-Passwd-Keyring-KDEWallet python3-SecretStorage  # いずれか1つを選択 (SSHキーの保存)
                    meld kompare                                                       # いずれか1つを選択 (バックアップスナップショット間のファイルの比較)
                    libqt5-qtwayland-devel                                             # Waylandを使用する場合
                    gzip gettext python3-pylint python3-pyfakefs                       # ビルドテストを行う場合


Back in TimeのGithubにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。

tar xf backintime-<バージョン>.tar.gz
cd backintime-<バージョン>


Back in Timeをビルドおよびインストールする。

# CLI
cd common
mkdir build && cd build

../configure --prefix=<Back in Timeのインストールディレクトリ>
make -j $(nproc)
make install

# Qt
cd qt
mkdir build && cd build

../configure --prefix=<Back in Timeのインストールディレクトリ>
make -j $(nproc)
make install