VPN - PIA VPN
概要
PIA VPN(Private Internet Access VPN)は、約30000台のサーバを所有しており、各サーバはRAMベースであるため、安心して利用することができる。
他のVPNサービスのサーバの一部はレンタルサーバである場合が多いが、全てを所有することにより、サーバを危険にさらす可能性のある仲介者を排除することができる。
さらに、RAMベースのサーバは、全ての匿名化されたデータを、スイッチを押すように簡単に削除することができる。
実際に、IP / DNSリーク保護のおかげで、20台の別々のサーバでのテスト中、ユーザのIPが明らかになることはなかった。
また、ポートフォワーディングや、難読化を伴う2重VPN接続によるSOCKS5およびShadowsocksプロキシへのアクセス等、安全にTorrentを実行するためのいくつかの機能も備えている。
小さな問題として、アメリカに拠点を置いていることである。
アメリカは、侵襲的なプライバシー法を持っていることで知られており、5アイズ、9アイズ、14アイズアライアンスの一員でもある。
このため、一部のプライバシー擁護派は神経質になっている。
また、理論的には、FBIやNSAのような強引な機関は、裁判所命令を使って、疑わしいと思われるアメリカのユーザを監視することができる。
しかし、米国にはデータ保持に関する法律がないため、ヨーロッパでよくあるように、PIAには情報を一定期間保存する義務はない。
また、PIAは何年も前から存在しており、そのプライバシーポリシーは常に守られているため、プライバシーの面ではPIAを推奨することができる。
PIA VPNは、個人を特定できるログを一切保持しないことを約束している。
例えば、2016年にFBIが加入者の1人のデータを求めたが共有できるものは何も無かった。
別の例では、ロシア政府がPIA VPNのサーバの一部を押収したが、全く何も見つからなかった。
Linux向けのPIA VPNソフトウェアは、Ubuntu 18.04以降のLTS、Linux Mint、Debian、Fedora、Archの最新バージョンに対応しており、x86_64、ARM64、ARMHFアーキテクチャと互換性がある。
また、他のLinuxディストリビューションもサポートするように努めており、SUSEにおいても問題なく使用できる。
PIAは、OpenVPNを含む様々な強力なプロトコルに対応しており、全てのVPNサーバがWireguardプロトコルに対応した。
また、SOCKS5プロキシも備えている。
料金は、1ヶ月1480円、6ヶ月5520円、2年間7000円(その後は、1年ごとに7000円)である。
PIA VPNの特徴を、以下に示す。
- ノーログポリシー
- インターネットトラフィックに関するデータを記録または保存することはない。
- これについては、裁判所の記録によって実証されている。
- 強力な暗号化機能
- OpenVPNやWireGuard等の信頼できるオープンソースのVPNプロトコルで、個人データの安全を保つ。
- 広告トラッカーやマルウェアに対する保護機能
- PIAのMACEは、DNSベースの広告ブロッカーであり、オンライン広告、トラッカー、マルウェアからユーザを保護する。
- PIAのスプリットトンネリング
- VPNトンネルを自動的に使用またはバイパスするように個々のソフトウェアまたはウェブサイトのカスタムルールを設定することができる。
- データ漏洩の防止
- キルスイッチがあるため、VPN接続が突然切断された場合でも、ファイアウォールベースのキルスイッチ機能により、データが漏洩することがない。
- 仮想通貨での決済
- 仮想通貨や第三者のギフトカードで決済可能であるため、匿名で決済でき、身元情報をさらに保護することができる。
- 速度
- 速度テストではあまり良い結果を出していないが、他のVPNと比較して上位にランクインしている。
- ただし、遠く離れたVPNサーバを使用する時に速度低下を示すことがある。
PIA VPNの契約
PIA VPNの契約手順を以下に記載する。
- PIA VPNの公式Webサイトへアクセスして、ページ右上にある[PIA VPNを入手]を選択する。
- VPNのプランを選択する。
- 支払いオプションでは、クレジットカード、PayPal、仮想通貨のいずれかを選択する。
- [今すぐ支払う]を選択する。
- 支払いが完了した後、PIAアカウントを作成するためのログイン情報(後に変更可能)と、VPNソフトウェアをダウンロードするためのリンクが記載されたメールが届く。
- PIAアカウントを作成する。
PIA VPNでは、1ヶ月1,480円、半年間5,520円、2年間7,020円(更新時は1年間7,020円)の料金である。(2022年5月現在)
PIA VPNソフトウェアのインストール
PIA VPNを設定するには、以下の手順に従う。
- PIA VPNの公式Webサイトから、VPNソフトウェアをダウンロードする。
- ダウンロードしたファイルに実行権限を付加する。
chmod u+x pia-linux-<バージョン>.run
- VPNソフトウェアをインストールする。
./pia-linux-<バージョン>.run --target <VPNソフトウェアのインストールディレクトリ>
- インストール完了後、VPNソフトウェアのログイン画面が表示されるので、ログインを選択して、サインアップ時に使用したEメールアドレスへ送信されたログイン情報を入力する。
- ログイン後、認証情報を保存する必要がある。
初期状態では、メイン画面の電源アイコンが黄色になっており、接続が切断されていることを意味する。 - 電源アイコンをクリックして接続を確立する。
接続を確立するのに時間が掛かることがあることに注意する。
もし、接続できない場合は、公式Webサイトにある接続に関する問題の記事を参照すること。 - 正常に接続が確立する時、電源アイコンが緑色に変わり、メイン画面にVPNサーバのIPが表示される。
VPNソフトウェアの設定について詳しく知りたい場合は、Understanding the PIA App's Basic SettingsおよびUnderstanding the PIA App's Advanced Settingsを参照すること。
VPN over Tor
PIA VPNは、サードパーティ製のサポート対象外のハードウェアやOSを使用しているため、VPN over Torはサポートしていない。
よりセキュリティを強固にする場合、最も簡単な方法は、PIA VPNサーバに接続した状態で、PORTAL、Whonix、TAILSのいずれかを使用して設定することである。
VPN接続、または、Tor over VPN接続のみが使用できることに注意する。
Tor over VPN
VPNネットワーク経由でTorに接続する方法であり、Torは終了ノードになる。(Tor over VPN)
- "PIA VPNソフトウェアのインストール"セクションを参照して、VPNに接続する。
- Torブラウザの公式Webサイトにアクセスして、Torブラウザをダウンロードおよびインストールする。
- Torブラウザを起動して、[Connect]ボタンを押下する。
Torブラウザの設定はデフォルトのままでよい。